謎の野菊

 in 神戸

兵庫県の神戸市に存在しないはずの野菊の発見!!!
  ・・・ 神戸市内の或る川の河口部
もしかして神戸固有種か?
謎の野菊 謎の野菊 謎の野菊

謎というより 「なぜこんな所に?」 という不思議な野菊を神戸市の或る河川の河口部で見つけました。
花径は2ー2.5センチほど。  葉は濃密で分厚く裏面には全面的に白い毛が蜜性。
公園など整備された場所でなく 半端で荒れた場所であることから他地区からわざわざ移植されたものとは考えられず昔から 自生していた可能性が濃厚です。
つぶさに観察すると ”シオギク” といわれるものの仲間と考えられます。   これは下記の限られた地域のみに自生する野菊です。

シオギク ・・ 四国南部の一部の海岸寄り
キノクニシオギク ・・ 和歌山県の南部の一部の海岸寄り 
謎の野菊 謎の野菊
写真はこれらの代表的な形態。 シオギク(左)   キノクニシオギク(右)
上記の限られた地方以外での生育は無いとされています。
いずれも砂浜ではなく岩場のような土地に生えているようです。
特徴は 頭花は管状花(筒状花) だけで 舌状花を持っていません。
つまり普通のキク科の花のような外周の花びら状のものは無く 真中の黄色い部分しか無い野菊という意味です。


< 二つの不思議 >
(1) 上記の限られたた地域のみに自生するイソギク又はキノクニシオギクが かけ離れた神戸に何故存在するのか? というの が第一の不思議です。
さらに・・・
(2) 発見された神戸のものは写真にあるように黄色い舌状花(花びら状のもの) を持っているのです。  これはイソギク及びその近縁種 のシオギクにはないことです。  これが第二の不思議です。

見つかったのはわずか10株ほどです。  しかし神戸の海岸地区は明治以降は全面的に造成されここの東西10−20キロは全くの コンクリートで覆いつくされ  奇蹟的に残った土壌部分はこのあたりわずか200平米ほどです。
ですから明治以前は数多く自生していたものが沿岸部の大幅開発によって失われ 奇蹟的に残ったこの小さな土壌部分にのみ生き残って いると考えることができるのではないでしょうか。
また当地域のものの独特の変異として 舌状花(外側の花びら状のもの)を持つことになったのではないでしょうか。    

他から移植されたとは考え難く、 しかも他地域のイソギクと微妙な形態の違いがあることから、古い時代から神戸の海岸部に 自生してきた神戸の固有種である可能性が濃厚です。  もしそうなら貴重な発見となるのですが・・・。

2017年11月末に 見つけたばかりなので今後いろいろと調査が必要です。

今わかっていることを下に記します。

<註1>   <イソギク>
イソギク
関東から東海地区の一部の海岸寄りに自生するイソギクという野菊があります。  四国・和歌山のシオギクとは近縁で太古にそれらの元祖に なったものと考えられます。 
ただシオギク類の花径が1.5センチほどなのに対し僅か5ミリほどとかなり小粒の花となります。
なおこのイソギクは園芸用に各地に移植されており  神戸にも舞子公園などで見かけます。   このたび或る河口で発見されたものとは近縁なので写真の上では良く似ていますが 花径は5ミリほどと大きさが全く違い また花びら状の舌状花も無く 直接的な関連は認められません。 

<註>  和歌山県のキノクニシオギクというものが地域的に最も近いといえます。   舌状花が無いことを除外すると黄色い 管状花のサイズ10ミリほどで似ています が葉の形状は違っています。
<註>  四国南部のシオギクは舌状花の有無を除くと黄色い管状花のサイズ10ミリほどと似ており、 また葉の形状も似て いるので神戸のものと最も近いかもしれません。
なおこのシオギクは白い舌状花を持つものがあり 白いノジギクと交雑したものとされ遺伝子汚染として懸念されています。

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草花にあまり詳しくない方のために語句に分かりやすい注釈をいれました。

舌状花とは ・・・ キク科の花の外側に花びら状に先端が片方に大きく伸びて広がったものが多数 円を形成するように集まっている。   花びらと 見えるもおのの実際には一つ一つが花です。   ほとんどのキク科は見事な舌状花を持ち 数やサイズや色はさまざまあって 美しさを競っています。
管状花(筒状花)とは  ・・・ 筒状をした多くの小さな花が中心部に集中している。 小さいけれども一つ一つが花である。  殆んどが濃い黄色。
頭花とは  ・・・  キク科で上記のような小さい花(小花という) が多数集まって一つの花と見える全体のこと。  頭状花序 という語句の略。

キク科について ・・・ 地球上で最新で最も進化した植物群。  それだけに現在もかなりなスピードで進化や変異を遂げつつあります。


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その後
神戸のその他の川の河口部を含め海沿い地区をほぼ全域を調査してみましたが 須磨区の砂浜地区を除き 全面的に人工的に埋め立てなどでコンクリートで造成され 昔の 植生を残した場所は全く残されていませんでした。   須磨の砂浜でさえ海水浴場のため人工的に変えられていました。  
したがって上記記事のもの以外に謎の野菊は見つかりませんでした。

上記の謎の野菊の発見場所は奇蹟的に開発から見逃され 昔の神戸沿岸部の植生を残したただ一か所の貴重な場所ということになります。

神戸の海岸地区が全面的に開発される以前の明治大正頃 もしくはもっと昔に何らかの事情で移植された可能性はゼロとは言えませんが さまざまな状況 からみて
もともと太古から神戸に自生していたものの生き残りではないか
という可能性が濃厚です。
もしそうなら神戸固有の野菊ということになり貴重なものになりますが  果たして・・・

神戸に存在する総ての野草を詳しく調査し把握している機関や研究者がおられるのかもしれませんがそうした方面の知己がなく 適切な情報や 助言を得ることができないのが残念なところです。
筆者はイラストレーターであり野草好きなアマチュア研究者にすぎません。

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